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[真剣師]小池重明 疾風三十一番勝負
団 鬼六・宮崎 国雄
1996年7月4日 第1刷
幻冬舎
定価1800円 |
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本書の帯には、写真で見る将棋十年 谷川名人誕生から羽生の名人挑戦まで 激動棋界の歩みを豊富な写真で振り返る 週刊将棋創刊十周年特別企画 とある。炬口(たけのくち)氏と言えば、将棋界の専属カメラマンといった方であり、将棋世界にも炬さんフォトギャラリーという連載よみものがある。本書は、この当時までに二十万枚に及ぶ写真の中から一冊にまとめたとのことであるが、棋士たちのすばらしいショットの数々が堪能できる一冊となっている。本書の構成は、'81〜'88年、'88〜'92年、'92年〜、女流棋界に分けて構成されている。この間には、加藤名人の誕生、さらに谷川名人の誕生の瞬間の写真があり、別テーマとして「燻らす。」、「夢みる。」、「読む。」、「逝く。」とサブタイトルと分け、はっとさせられる写真の数々がある。「燻らす。」には、今は無き板谷
進九段、花村 元司九段、森安 秀光九段の燻らす姿が、「夢みる。」には、!82年奨励会入会試験会場の羽生、森内、郷田少年の姿、屋敷少年、先崎少年の姿も見られる。本書でもっとも感銘を受けた写真は、「逝く。」の中の芹澤博文九段の対局姿の写真ですが、死期がまじかでいてなお眼光鋭く勝負に打ち込む姿を捉えた写真である。TVに出ていた時とは全く別人の姿に驚くばかりである。また、自宅にたたずむ升田幸三実力制第四代名人の年老いた姿やこの本の出版当時は存命であった村山九段の四段当時のアパートの一室の写真等、棋士たちの若かれし時から老いてまでを見るにつけ、時は進んで行くのだと痛感させられてしまう。 |
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次の一手 「寄せ」
勝浦 修
1992年5月20日 第3刷
創元社
定価780円 |
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